プレスクリル誌「ステロイド外用剤のアレルギーと依存」読売新聞記事の担当記者について(追記あり)

読売新聞記事の担当記者について・その2

20101227

漂流するアトピ 

 医療ルネサンスで「アトピー性皮膚炎」(12月14日~20日載)を担しました。アトピ性皮膚炎の標準的な治療の柱であるステロイドの塗りについて、方されるさや量が不適切な事例や、患者だけでなく療者側にも副作用にする誤解が根い点などを取り上げたところ、手紙やメル、電話など多のご意見をお寄せいただきました。 

 私にも、幼い頃からアトピ性皮膚炎にまされていた同世代の親類が身近にいました。地元の皮膚科で方された塗りでも、なかなか良くならない。1日2~3回、方されたクリを塗っていたようですが、汗をかいた後や、夜にそばでている時も体中をかきむしっていました。皮膚が乾燥して膝や肘はカサカサにひび割れるため、スポツが好きなのに、体を動かすたびに痛みを訴えていました。20年以上前になります。 

 時を隔てて、今年の夏。別の取材でおいした女性との談の中で「子どものアトピがひどいが、何が正しい治療なのかさっぱり分からない」と聞き、かつての思い出がよみがえってきました。インタネットを調べると、その膨大な情報量に倒され、女性の言葉を感したのが今回の取材の出点です。 

 連載では、ステロイドの使用に否定的な「ステロイド療法」や、民間療法などを経験した人たちも紹介しました。アトピ性皮膚炎の乳幼を持つ母親たちが十人集まった首都の相談を取材した時、標準治療はもちろん、ステロイド療法や民間療法など、あらゆる方法を試しても良くならず、「とにかく、かゆみと湿疹から解放してあげたいだけなんです。どれも『治る』と言っているのに、果がないのはなぜ?」と嘆く母親に出いました。 

 ある師は「アトピは難病でも何でもない。特別な治療や民間療法など不要だし、しっかりと標準的な治療をすれば治る」と調しますが、身近にある病院を受診しても症は好せず、足できる治療を求めて、いくつもの病院を転々とする患者は後を絶ちません。 

 者からは「アトピの現は5回の連載で片づけられるほど簡なものではありません」とのご指摘もいただきました。その言葉を胸に、これからも引きき取材を進めていきます。 

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野村昌玄(のむらまさはる) 2010年から療情報部。主な取材分野は、糖尿病、胃がんなど。趣味は、地酒漁りと豚カツ屋めぐり

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=34873

 

 私はこの記者に、2回メールを送り、1214日・15日の第1回・第2回の記事中における重大な医学的誤りの指摘をしました。紹介があったほうが良いかもしれないと考え、知り合いの読売新聞大阪本社科学部の記者さんにお願いして、メールの転送もしていただきました。 

 ステロイド外用剤に依存性・抵抗性がないと、堂々と新聞の学術記事欄で記すことの危険性、患者や一般人に与える影響を危惧したからです。 

 しかし、彼は、第5回の連載終了まで、訂正はおろか、まったくそのことに触れもしませんでした。 のみならず、今回、医療情報部の記者のブログに、これだけの字数で記事執筆について振り返って記す機会があったにも関わらず、やはり訂正はありません。触れてもいません。 

 これは、権威筋の皮膚科の大学教授たちが、はじめ「ステロイド外用剤に依存性など存在しない」と言っていて、そのメカニズムが分子生物学的に明らかになってきたここ数年、だんまりを決め込み、あるいは「患者の塗り方の問題だ」と稚拙な自己弁護に走っているのと、まったく同じ構図です。

 自分の言ったこと、記したことに重大な誤りがあったことに気がついた場合、何をさておいてもまずその訂正をして、影響を最小限に食い止めるべきです。それはジャーナリストの最小限の責務です。このブログ記事中からは、そういう気持ちが感じられない。殊勝な自己弁護の文章が書き連ねられているだけです。 

 これからも引きき取材を進めていきます。
 野村

 これ以上アトピー患者たちを混乱させないで下さい。

記者にお願いします。二度と、アトピーの取材をしないでください。もし次に誤った情報をあなたが発信したとしても、あなたはきっと訂正しようとはしないだろう。そのような人間に物書き、とくに人間の健康にかかわる記事を書く資格はありません。  だそうです。 非常に気分が悪くなりました。 


moto_tclinic at 17:38│Comments(0)TrackBack(0)