アトピーステロイド情報センターの思い出「赤ちゃんに毎日保湿剤 アトピー減」

中間分子量ヒアルロン酸の著効例


 具体的な商品名を記載すると法に抵触するとの厚労省からの指導(詳細は→こちら)に従い、商品名の部分は■■■■■■■■のように黒字で伏せています。

<海外の匿名のお客様>   
  ■■■■■■■■を足の脛に使い始めて3ヶ月半、私の人生が変わりました。私の左脛は、ここ4~5年間外用ステロイド中毒に陥っていました。インターネットでステロイド中毒という症状について初めて知り、何が問題だったかをはっきりと理解できました。すぐに外用ステロイドの使用を中止すべきだと気付きました。脱ステロイドを始めた最初の数ヶ月は、強い赤み、かゆみ、落屑などがあり、非常に苦しいものでした。しかし、深谷先生の■■■■■■■■を購入したところ、劇的に症状が改善されたのです。すぐに皮膚が回復しはじめました。現在使用をはじめて3ヶ月半ですが、ほとんど完璧に回復しました。いくらか皮膚下の血管がダメージをうけた跡はありますが、基本的には皮膚はもとに戻りました(原文は英語→こちら)。

   
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■■■■■■■■を購入された方(匿名)から写真付きで上記のようなレポートが送られてきました。すべての方がこのように良くなるということでは決してありませんが、この方の写真経過は示唆に富みますので、少し解説を加えたいと思います。
 
 まず、この方のステロイド外用歴および、写真に写っている腕の皮膚の状態から考えて、この方はアトピー性皮膚炎ではないか、もしそうだとしても軽症であると考えられます。脛の皮疹はステロイド皮膚症であろう、ということです。
 
 4~5年のステロイド外用ののち脱ステロイドに踏み切り数ヶ月間はリバウンドに悩まされたようです。その写真がDAY1と考えられます。その後3ヵ月半=DAY105までの写真が並んでいます。
 
 注目していただきたいのは、DAY1の時点で、表皮が萎縮していて薄そうだ、という点です。比較的大きな落屑の下には紙のようなてらてらとした表皮があり、そのさらに下は赤く炎症性の真皮です。皮膚科医の眼と言うのは、臨床像から病理組織像をいつも類推します。少なくとも私はそうです。そのように自分を鍛えてきました。
 全体的にのぺっとしていますから、萎縮と肥厚が混ざっているのではなく、ほぼ均一に表皮が萎縮しています。おそらくはそのため(表皮バリアが不完全で外部刺激から防御されないため)に、真皮、それも上層にこれまた均質に炎症反応が生じているのでしょう。
  
 この脛にステロイドを外用しても、赤み=炎症は一時的に取れたとしても、表皮は回復しない(あるいはステロイドの作用でさらに薄くなる)から、問題解決にはなりません。まさにステロイド依存です。 
 
 DAY14、DAY35と、落屑がだんだん細かくなっています。表皮の厚さが回復し、それとともに真皮の赤みも薄くなっています。
 脛というのは、元来が皮膚の薄いところです。ですから、加齢に伴って湿疹が生じやすいです。この方は若そうですが、脛に何か皮膚トラブルがあった(だから4~5年前にステロイドを使い始めた)のは、この部の皮膚の薄さも関係しているのでしょう。
 
 以前アンケートを取った時に確認しましたが、中間分子量ヒアルロン酸が無効であった、合わなかったという方もいます(→こちら)。しかし、この方のように、ステロイドから脱して数ヶ月、依然表皮の萎縮が回復せず炎症=リバウンドが遷延している、という場合には、特効薬のように働くケースもあると考えられます。
 
 以上、御参考になればと考えて解説しました。くれぐれも全例このような経過で良くなりますよ、と宣伝しているわけではありません。単純に皮膚科医の眼から興味深く、中間分子量ヒアルロン酸の機序にまさに合致した経過だったので特に報告しました。



moto_tclinic at 13:09│Comments(0)TrackBack(0)