ステロイドを用いない6か月調査の研究に参加した患児の写真

 

先々回の記事に記した、ステロイドを用いずに6か月間経過観察したアトピー性皮膚炎患者300人の予後をまとめた論文が、Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatologyに掲載されました(→こちら)。
この雑誌はvideo abstractをyoutubeにupすることができます(→こちら)。
その製作のために、共同研究者の佐藤美津子先生から、改善例のbefore/after写真を4名分お借りしました。






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これら改善例の写真は、私たち脱ステロイドに携わる医師にとっては見慣れたものですが、ステロイド外用治療しか行っていない皮膚科医や小児科医にとっては、衝撃的な写真ではないでしょうか?そうです。あなたたちが思い込んでいる「アトピー性皮膚炎の患児はステロイドを塗らなければならない」という考えは、根本から間違っています。
「アトピー性皮膚炎は自然治癒する疾患である」と言われて、「そんなことは承知している」と怒って反論する医師は多いでしょう。いいえ、あなたは解っていない。あなたが何も処方しなくても、多くの患児たちは治るということを。
 
極言すれば、あなたという医師に存在する意味はない、ということです。まずそれを認めて自分自身をとことん貶めなければ、あなたはアトピー性皮膚炎という疾患を理解したことにはなりません。20年以上前に私自身が自問自答したように。
 
その上で、もう一度自分に何ができるのか考えてみましょう。治るまでの感染症対策や栄養指導は大切です。ここであなたは患者の役に立つことができます。
一時的リリーフとしてのステロイド外用剤処方は一見役立つように思えます。しかし、連用はステロイド外用剤依存につながります。「依存」という言葉に抵抗を感じるなら、表皮自身が持つステロイド産生能の成熟を妨げる(→こちら)と言い換えてもいい。要するに自然治癒を遅らせる可能性があります

精神的なサポートもできます。患者はこの疾患を熟知した医師をガイド役として求めています。しかし、もしあなたが上に示したような写真を見て衝撃を受けているような医師だとしたら、あなたはこの疾患を熟知していると言えるのか?
あなたが知っている、理解していると思っているのは、すべて医者や製薬会社の利益につながった情報源からのものです。あなたは目の前の患者たちから、何も学習してこなかった。
 
それらを全て認めたうえで、それでもあなたがアトピー性皮膚炎の患者を診る医師であり続けようと思うなら、私はあなたを尊敬するし、希望を抱くことができる。
私にはできなかったことです。私には美容外科のほうが向いていました。患者の苦しみの共有に耐えるだけの精神力が無かったし、作品を仕上げるように手術をするという短期で結果がはっきり現れる仕事のほうが悦びを感じられました。
それを圧して、患者のために自己を殺してアトピー性皮膚炎を診続けることは、私にはできませんでした。もし、あなたがこのアトピー性皮膚炎という自然治癒傾向のある疾患を前にして、患者に寄り添うガイド役を務めることに悦びを感じるならば、私はあなたを尊敬するし、私よりも医師としての適性が高いことを認め、頭を下げます。私のやっている美容外科は、所詮病気の人を診てはいないからです。
 
そしてそのような私が尊敬する医師たちは現実にいます。上記の論文で共著者となって、実際に300人の患者のデータを集めてくれた先生方はその一部です。彼ら彼女らは、不安で絶望に陥りかけている患者たちを、今日も診察室で支え続けていることでしょう。
(2016.7.5記)

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 クロフィブラート軟膏には弱い抗炎症作用があり、ステロイドを使わずに皮膚炎を少しでも抑えたいという方に向いています。論文になっていますし作製も容易なので、出来ればかかりつけのお医者さんに処方をお願いしてみてください。

 


moto_tclinic at 10:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)